- 沼野健輔(ぬまの けんすけ)
- 冬はスノーボードの山岳ガイドをするため年間を通して山岳地帯を歩いている。
片品山岳ガイド協会 公認ガイド
—沼野さんお気に入りのコースはどこですか?
「尾瀬の楽しみ方のひとつに、山小屋に泊まることでしか見えない魅力があるんです。朝陽と夕陽、この時間帯ならではの景色が素晴らしいんです」
—宿泊すると歩けるコースも増えそうですね。
「時間にゆとりが出るのでそうなりますね。いくつかおすすめのルートがあるんですが、ひとつは三条ノ滝という水量が豊富なワイルドな滝を見るコース。日帰りでは時間的に難しいので、滝を見た後に見晴地区に宿泊して、翌日尾瀬沼を経由して大清水へ戻るのも良いですし。泊まることでバリエーションが一気に増えるのでおすすめですよ」
—時期的にはいつ頃のどこがみどころですか?
「6月ならば山ノ鼻に宿泊して朝一に見る朝靄の中のミズバショウが綺麗です。夏ならばどこに泊まっても蛍が見られますし、星空は季節問わず天の川まで見られます。尾瀬ヶ原の真ん中に位置する龍宮小屋ならばいろんな場所に行くルートの起点になるので、季節問わず利用しやすいです。そのためか、写真家も多く利用していますよ。とにかく一度は山小屋に宿泊して、尾瀬の本当の魅力に触れてもらいたいですね」
三条ノ滝
燧ヶ岳の向こうから登る朝陽
自然を見るために尾瀬ヶ原に来るのだから、自然が喜ぶ雨を嫌わないでください。そういった意味でカッパは重要になってくるので、常に持ち歩くようにしてください。さらに防水の靴やザックカバーなどがあれば、神秘的な雰囲気も楽しめることができます。
ガイドの話
尾瀬には数百種類ともいわれる植物が生息しています。日本有数の高層湿原であるからこその自然が、ここにはあるのです。その歴史や特性、また咲き乱れる花の詳細までを熟知した経験豊富なガイドと歩くことは、尾瀬により深く触れるきっかけとなるのです。ツアーの安全面も含め、ガイドと共に歩くことをおすすめします。